人生は思いもよらないことが起きるものだ。
第一、世のみなさまが迷う事なくおばさんと認定できる年齢に、まさか自分がなるなんて予想もしなかった。
数ヶ月前、マイナンバーカードを申請するためにスマホで自分の顔を撮影した。
シャッターを切るのは自分のタイミングなのだから、それに合わせて表情筋を引き上げる。
温かみと落ち着きのある大人の女性をイメージしてカメラに向かうのだが、出来上がった写真を見るとただ「人生に疲れたおばさん」だけが写っている。
あれ、おかしいな?と思い十数回トライしたが、ついに私も根負けした。
疲れたおばさんは偶然の産物ではない。揺るぎなき現実であった。
な、なんてこったい!
髪や肌の艶やかさが若い頃より衰えた。
これは良しとしよう。私もそれほど強欲ではない。
しかし愕然としたのは、自分の眼の表情だ。
その眼は「自分の生きているこの世界が、全くもってつまんない」と言っていた。
これはいかん!
私は、例えおばさんだったとしても、そこそこやる気のあるおばさんのはずなのだ 。なんなら、「将来何になろうかな」などと小学生みたいなことを未だ考えているイタイおばさんなのだ。
そんなおばさんが、こんなにつまらなそうな眼をしているのはなぜか?
しばらく鏡に向かって考えた結果、私の心が疲れているのではない、眼そのものが疲れているのだという結論に達した。
老眼を感じ始めたのは、3年ぐらい前だろうか。
しかしここ1年で一気に眼が衰えたように思う。
今なら「なんで勉強なんかしなくちゃいけないのよ~」と文句を垂れていた若き日の自分に、その答えを言える。
「中高年になったら勉強しようと意気込んでも、目がショボついてどうにもならんのだ。ショボつくことなく思う存分勉強できるなんて今しかないんだよ」と。
とにかく、「人生つまんないおばさん」の眼を改善すべく、まず新しい眼鏡を作った。
手元の書類を見るには、裸眼が一番見やすい視力なのだが、若干離れたパソコンの画面を見る場合、近視用の眼鏡では度がキツすぎる状態になっているらしい。
遠くを見る近視用の眼鏡と遠近両用のコンタクトに加えて、老眼対策のパソコン眼鏡の3種類を使い分けることになる。
歳をとるとは、なんと不便なものであろうか。
あと、何か眼に良いものはないかと探していたら、「眼圧リセット」という本に巡りあった。
自分の手のひらを使って、眼圧をリセットする方法が紹介されている。
親指の付け根の辺り、手のひらの膨らんだ部分で、両方のこめかみをぐっと上に引き上げる。次は、そのまま斜め後ろに引き上げる。
片方の手のひらはおでこに当てて上に引き上げ、同時にもう片方の手で鼻の付け根をつまんで下に下げる、などなど。
おそらく、私の気のせいではないと思うのだが、この本に書かれている眼圧リセットマッサージをすると、眼が「シャッキリ」する。視界がパッと明るくなった感じ。
「人生楽しいおばさん」の眼になるよう、私がんばるわ‼️